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WA98、JS995大シャトーの中でも特に豪勢だと言われるシャトー・ムートン・ロスチャイルド。風味の豊かさと肉づきの良さを特徴の2015年ヴィンテージ。 2015年は平年に比べて少しばかり高温の年ではありましたが、それ以上に2月から7月にかけて、つまり萌芽から着色まで、とにかく乾燥した(平均年間降水量862ミリメートルに対して706ミリメートル)天候が特徴的でした。花の時期には平年並みの生産量が期待されましたが、果粒サイズは小さいままで、むしろひかえめな収量となりました。 8月および9月は平年を上回る降水量を記録しました。ブドウ樹はすでにこの時点で水分欠乏に悩まされていましたが、この雨のおかげで生育サイクルの中断を起こすことなく、順調に生長を続けました。テロワールやブドウ品種、そして樹齢の違いによって、熟度の進み具合には区画に差異がありました。 品種ごと、区画ごとに、最適な熟度での収穫にこだわり、「ヴィニュロンの記憶」の中でも最も長期にわたった収穫作業となりました。9月14日にメルロの収穫がスタートし、10月6日にカベルネ・ソーヴィニヨンで終了するまで、グループのドメーヌ3軒での作業日数は23日間におよびました。 ブドウ果実の状態は素晴らしく、醗酵は短期間で進みました。ワインは即座に美しい色味を含み、アロマ表現は極めて濃醇。赤果実および黒果実からはじまり、スパイスやインセンス(お香)まで、非常に多彩なアロマを感じ取ることができます。 全体的なタンニンの特徴として、かなり丸みがあり濃密で、ざらつきは感じられません。アッサンブラージュ後もアロマの濃さに変わりはなく、肉厚で複雑なストラクチュアも健在です。樽内での育成・熟成によってそれらはさらに強化されるでしょう。 我々の手によるポイヤック2015年は、風味の豊かさと肉づきの良さを特徴とし、2005年との類似性を強く感じさせるワインです。 CHATEAU MOUTON ROTHSCHILD シャトー・ムートン・ロスチャイルド / シャトー・ムートン・ロートシルト 生産地:フランス ボルドー ポイヤック 原産地呼称:AOC. PAUILLAC 格付け:第1級 ぶどう品種:カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルド 味わい:赤ワイン 辛口 フルボディ 2015年のラベルを手掛けたのは、旧東ドイツの画家 ゲルハルト・リヒター氏。新聞や雑誌の写真をカンバスに描き写し、特徴的なぼかしを用いて仕上げる技法「フォト・ペインティング」など、独創的な作風で知られる現代抽象画の第一人者。 今回のラベルに使用された作品には、2011年に氏が開発し「flux(流れ)」と名付けた技法が採用されている。その名のとおり無作為な色彩の流れをとらえて表現するペインティング技法で、まずはプレキシガラスの板にエナメル塗料を塗り広げ、もう一枚のガラス板を押し当てる。そうすることで生まれる予期せぬ構図と色彩の動きを観察し、そのすべてが調和した理想的な一瞬を写真におさめるというもの。 作品の構図において理想的な瞬間をとらえた動きのある色彩の数々、生き生きとした素材感とバランスは、芳醇さをグランヴァンにもたらす、調和のあるアッサンブラージュと相通じるところがあります。 ワインアドヴォケイト:98ポイント Reviewed by Lisa Perrotti-Brown Issue Date 22nd Feb 2018 Source Interim Issue Mid-February 2018, The Wine Advocate Drink Date 2025 - 2055 The 2015 Mouton Rothschild is a blend of 82% Cabernet Sauvignon, 16% Merlot and 2% Cabernet Franc aged in 100% new oak with a mid-July 2017 bottling. Deep garnet-purple colored, this Mouton pulls off an incredibly impactful entrance, emerging from the glass with profound notes of blackberry preserves, plum pudding, cr?me de cassis and grilled meats, featuring perfectly accessorized accents of sandalwood, cinnamon stick and fenugreek with wafts of dried roses, unsmoked cigars and tilled soil. Medium to full-bodied, the palate is completely packed with rich, ripe black fruits sparked with blue and red fruit undertones and an incredible structure of very firm, very ripe tannins, with seamless freshness and an epically long, earth-laced finish. Possessing striking natural beauty framed by impeccable crafting, this 2015 is a total diva and well worth attention. Give it a good 7-8 years in bottle, at least, and drink it over the next 30+ years. ジェームスサックリン:99ポイント Decadent and rich aromas of black cherries and plums with wet earth and sandalwood. Turns to dried mushrooms. Full-bodied, tight and closed with big, polished tannins, yet this is very closed and shy right now. Despite this, underneath it shows such depth and beauty. Tangy acidity. This is a combination of 2005 and 2009. Try it in 2024. Publish Date: Saturday, February 3, 2018 50160618090907918CHATEAU MOUTON ROTHSCHILD / シャトー・ムートン・ロスチャイルド ボルドーワインの頂点に君臨し続ける王者。 5大シャトーの中でも特に明快かつ豪勢なトップシャトー。 メドック格付け 第一級 100年以上も変更されることのなかった1855年のメドックの格付け。 それを覆し、第1級に格上げされた唯一のシャトーが、このシャトー・ムートン・ロスチャイルドです。 ユダヤ系の大富豪ロスチャイルド家がこのシャトーを買収したのは、1853年のこと。ところが、その2年後のメドックの格付けで、必ず1級を取ると思われていたムートンは、2級に格付けされてしまいました。これに奮起したロスチャイルド家は、「1級にはなれないが2級には甘んじれぬ、ムートンはムートンなり」 と言い放ち、畑、醸造技術、熟成方法などに改良を加え、1級になるために様々な働きかけを行ってきました。 118年後の1973年、4世代にわたる努力の末、 シャトー・ムートンは悲願の昇格を果たします。その時、「われ1級になりぬ、かつて2級なりき、 されどムートンは昔も今も変わらず」という名句を残したという、有名な逸話が残されています。 シャトー・ムートン・ロスチャイルドは5大シャトーの中では、最も豪勢なワインと言われています。 カベルネ・ソーヴィニヨンの比率が高く、飲み頃になるまでに時間がかかる長期熟成型のワインです。 エレガントなブーケと豊かなボディを持った“比類ない”ワイン。シルクのようなきめ細かさ、アーモンドとすみれの香りを秘めたエレガントな芳香、そして酸味とコクの結びついたバランスの良さは、理想の赤ワインが備えている全ての条件をくまなく発揮しています。
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