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酒が語る日本史 (1971年) 単行本
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年1月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
興味があって購入しました、お酒にまつわる話はおもしろかったです。
2017年8月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日本酒が世界から注目を集めつつある今だからこそ、是非とも誤解の無いように明記しておきたいのだが、本書は決して日本の酒の歴史を説いたものではない。
歴史の中で酒がどのような役割を果たし、或いは、如何なる場で酒が飲まれたのか…即ち、本書の主役となるのは“歴史上の呑ん兵衛”達なのである。
古代の貴人から近代の力士に至るまで、酒を飲んだり飲まれたり…そんな彼等の姿を通して、歴史の中での「酒の意義」を読み解いた、なんとも新鮮な一冊であった。
さて、酒の起源は「お神酒」として神に捧げ、これを調伏しようとした事に始まると言う。
成程、今でこそ一人で晩酌を楽しむ人は多いが、本来の酒は一人飲みするものではなく、神と呑み、祭祀で呑み、集団で呑むものだったのだ。
本書はこのように酒宴の起源を解説した上で平安時代以降の宴会の世界へと導いてくれるので、その背景が理解し易かったように思う。
ヤマトタケルノミコトに纏わる酒の伝説に始まり、“ニヒルな酒飲み”大伴旅人、意外にも酒好きだった菅原道真、藤原摂関家の貴公子達、期待を裏切らない豪快な呑みっぷりの源平の武将や北条氏、倦怠感が漂う足利氏、或いはサロンとなった動乱期の公家達の酒宴、酒の席で幅広い交友関係を持った山科言継、酒好きなキリシタン大名・大友宗麟、“酒豪の代表”上杉謙信、そして信長・秀吉・家康と酒、実は酒で命を縮めたのかもしれない驚きの小早川秀秋、かの有名な赤穂浪士、酒乱の天一坊…更には近世・近代ともなれば史料も豊富なだけに有名無名に関わらず大酒呑み達の実態が暴かれていく。
日記等の古記録、和歌・俳句・川柳を含めた文学作品等など、豊富な史料を基に様々な逸話を紹介しているので、読んでいるうちにこちらまで酩酊してしまうほどに面白かった。
尤も、このように書くと著名な酒豪達の逸話ばかりを集めた書籍だと勘違いしてしまうかもしれないので、若干の補足もしておきたい。
先ず“酒呑み”は必ずしも第一線で活躍した人物とは限らない為、実際に本書の中心となるのは知名度の低い人物も多いのだが、やはりそれでは面白味がないと思ったのであろう…上記に挙げたような著名人の話題に触れながら無名の大酒呑みに話題を転じているのだ。
依って、時には無理な誘導もあるかもしれないが、それも全て読者を飽きさせないような工夫の一環と思えば、実に巧みな構成でもあり、敢えて高く評価した次第である。
また、歴史的事件等については最もオーソドックスな定説に則っている点も歴史ファンにとっては物足りないであろうが、諸説を取り込めば脱線するのは必然であり、それを避ける為にも“酒呑み”が主役である事に徹したシンプルさは却って良かったように思う。
即ち、総体的には確かに欠点が皆無という訳ではないのだが、それを十分に補うだけの配慮がなされている事には相違ないのだ。
本書を読むと、歴史と共に酒の呑み方も変わり、そして酒の呑み方は歴史をよく反映しているという事が見えて来る。
酩酊するに任せるだけの余裕があった平安時代の貴族達、酒も武力も豪快だった武家社会台頭の時代や戦国時代、そして酒に溺れるしかないストレス、悩み、不安…やがて、平穏の時代を経て、酒の呑み方も一つのスタイルになる時代…。
常に歴史と共にあった酒。
現代に於いても無礼講の忘年会やら仲間同士の愚痴やら、酒の力を借りる事が多いだけに、酒の力が決して、ただの「過去の遺物」ではないと感じさせてくれる所に醍醐味がある。
永遠なる酒の魔力を実感させられる一冊である。
歴史の中で酒がどのような役割を果たし、或いは、如何なる場で酒が飲まれたのか…即ち、本書の主役となるのは“歴史上の呑ん兵衛”達なのである。
古代の貴人から近代の力士に至るまで、酒を飲んだり飲まれたり…そんな彼等の姿を通して、歴史の中での「酒の意義」を読み解いた、なんとも新鮮な一冊であった。
さて、酒の起源は「お神酒」として神に捧げ、これを調伏しようとした事に始まると言う。
成程、今でこそ一人で晩酌を楽しむ人は多いが、本来の酒は一人飲みするものではなく、神と呑み、祭祀で呑み、集団で呑むものだったのだ。
本書はこのように酒宴の起源を解説した上で平安時代以降の宴会の世界へと導いてくれるので、その背景が理解し易かったように思う。
ヤマトタケルノミコトに纏わる酒の伝説に始まり、“ニヒルな酒飲み”大伴旅人、意外にも酒好きだった菅原道真、藤原摂関家の貴公子達、期待を裏切らない豪快な呑みっぷりの源平の武将や北条氏、倦怠感が漂う足利氏、或いはサロンとなった動乱期の公家達の酒宴、酒の席で幅広い交友関係を持った山科言継、酒好きなキリシタン大名・大友宗麟、“酒豪の代表”上杉謙信、そして信長・秀吉・家康と酒、実は酒で命を縮めたのかもしれない驚きの小早川秀秋、かの有名な赤穂浪士、酒乱の天一坊…更には近世・近代ともなれば史料も豊富なだけに有名無名に関わらず大酒呑み達の実態が暴かれていく。
日記等の古記録、和歌・俳句・川柳を含めた文学作品等など、豊富な史料を基に様々な逸話を紹介しているので、読んでいるうちにこちらまで酩酊してしまうほどに面白かった。
尤も、このように書くと著名な酒豪達の逸話ばかりを集めた書籍だと勘違いしてしまうかもしれないので、若干の補足もしておきたい。
先ず“酒呑み”は必ずしも第一線で活躍した人物とは限らない為、実際に本書の中心となるのは知名度の低い人物も多いのだが、やはりそれでは面白味がないと思ったのであろう…上記に挙げたような著名人の話題に触れながら無名の大酒呑みに話題を転じているのだ。
依って、時には無理な誘導もあるかもしれないが、それも全て読者を飽きさせないような工夫の一環と思えば、実に巧みな構成でもあり、敢えて高く評価した次第である。
また、歴史的事件等については最もオーソドックスな定説に則っている点も歴史ファンにとっては物足りないであろうが、諸説を取り込めば脱線するのは必然であり、それを避ける為にも“酒呑み”が主役である事に徹したシンプルさは却って良かったように思う。
即ち、総体的には確かに欠点が皆無という訳ではないのだが、それを十分に補うだけの配慮がなされている事には相違ないのだ。
本書を読むと、歴史と共に酒の呑み方も変わり、そして酒の呑み方は歴史をよく反映しているという事が見えて来る。
酩酊するに任せるだけの余裕があった平安時代の貴族達、酒も武力も豪快だった武家社会台頭の時代や戦国時代、そして酒に溺れるしかないストレス、悩み、不安…やがて、平穏の時代を経て、酒の呑み方も一つのスタイルになる時代…。
常に歴史と共にあった酒。
現代に於いても無礼講の忘年会やら仲間同士の愚痴やら、酒の力を借りる事が多いだけに、酒の力が決して、ただの「過去の遺物」ではないと感じさせてくれる所に醍醐味がある。
永遠なる酒の魔力を実感させられる一冊である。