「文七元結」
腕はいいが博打に夢中の左官の長兵衛。吉原で一人娘のお久と引き換えに
五十両の金を貸してもらい、吾妻橋まで来ると身投げをしようとしている男に出
会う…。
江戸っ子の粋を描いた人情噺の大作に、噺の艶気を盛り込んで小柳枝が見事に描
いてみせる。
「二番煎じ」
冬の寒い夜、町内の旦那衆が夜回りをすることに。番小屋に戻り、
持ち寄った酒や猪鍋を囲んで一杯やっていると、見回りの役人がやってきた…。
得意の喉を聞かせる夜回り風景と、次第に酔いが回ってくる番小屋風景に演者
小柳枝の腕が冴え渡った一席。
・春風亭小柳枝(しゅんぷうてい・こりゅうし)
昭和11年東京都新宿区生まれ。同40年四代目春風亭柳好に入門。
同53年に九代目春風亭小柳枝を襲名し真打昇進。出囃子は「梅は咲いたか」。
現在、落語芸術協会常任理事。
解説文 瀧口雅仁
東京・深川江戸資料館にて2007年1月11日に収録
(C) 2009テレビ東京/BSジャパン/PROTEX
収録分数:98分