商品説明
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内容紹介(出版社より)
開幕直後より話題を呼んでいる、今津景、初の大規模個展を全収録した展覧会図録にして初作品集。今津は、インターネットやデジタルアーカイブといったメディアから採取した画像を、コンピュータ・アプリケーションで加工を施しながら構成、コラージュ的な重層性とデジタルの痕跡を残すようなその下図をもとに、キャンバスに油彩で描く手法で作品を制作しています。2017年からインドネシアのバンドンに制作・生活の拠点を移した後は、インドネシアの都市開発や環境汚染といった事象に対する実地でのリサーチをベースに、現在起きている問題の直接的な表現にとどまらず、さまざまなアーカイブ画像を画面上で結びつけ、さらに歴史や神話、生物の進化や絶滅といった複数の時間軸を重ね合わせることで、普遍性とダイナミズムが共存する作品へと発展させています。「タナ・アイル」と名付けられた同展は、インドネシア語で「タナ(Tanah)」が「土」、「アイル(Air)」が「水」を指し、二つの言葉を合わせると故郷を意味する言葉です。現在生活するインドネシアと自身のルーツである日本という二つの土地での経験と思考にもとづく今津の作品は、鑑賞する私たちの足元、自らの生きる場所や時間についても考える契機となることでしょう。本書は、近年の作品を軸に5つのテーマにより構成された本展覧会を、写真家・木奥惠三が写した会場風景を中心に、追体験/アーカイブする貴重なカタログです。図版ページは袋とじが施され、軽やかな印象を持ちつつも、エッジの効いた仕様となりました。