商品説明
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内容紹介(出版社より)
作品に結ばれる世界像の論理と構造の根柢をなす〈認識風景〉への問い。鏡花の〈幻想〉に、同時代の認識体系を拒絶して、現実から解き放たれた〈非在〉の領域において自律する魂への希求を見出し、その批評性を掬い出す。精緻な読解に支えられた、鏡花世界の本源を探る未踏の鏡花論集。四十年を越える鏡花文学研究の成果を精選し、書き下ろし三本を加えた初の泉鏡花論集。紅葉の添削跡を辿って初期原稿の成立過程を明らかにする導入部から、鏡花世界における神話の位相、インド哲学への応接と影響関係、〈母なるもの〉のモチーフの内実を明らかにするとともに、ジェンダー論的観点も交えて非抑圧者の抵抗を見出す中盤、さらに金沢・浅野川流域という特権的なトポスに作品の地勢図を越えた鏡花文学の認識風景の集約を見る『由縁の女』論で締めくくられる。文学における〈認識風景〉。長い時間をかけて問い続けられ、深められ、方法論的概念ともなった〈認識風景〉からのアプローチによって、思想史へも接続しつつ、世界を越え出ようとする文学世界を開示する著者による、鏡花=〈幻想文学〉というイメージを超えた、新たな鏡花像を提示する論集である。第一部 鏡花文学の起点第一章 鏡花初期作品の執筆時期について 「白鬼女物語」を中心に第二章 「義血侠血」の変容 紅葉改作をめぐって第二部 鏡花文学の世界図第一章 泉鏡花と印度哲学の接点第二章 〈個的神話〉への意志第三章 「化鳥」 〈母なるもの〉の原理第四章 見返す女たち第三部 作品の諸相第一章 「春昼」 記号のゆくえ第二章 「婦系図」の背景 〈静岡〉という場所第三章 「歌行燈」 交響する〈物語〉第四章 浅野川水系の物語 『由縁の女』論注あとがき初出一覧人名索引作品・文献名索引
内容紹介(「BOOK」データベースより)
作品に結ばれる世界像の論理と構造の根柢をなす“認識風景”への問い。鏡花の“幻想”に、同時代の認識体系を拒絶して、現実から解き放たれた“非在”の領域において自律する魂への希求を見出し、その批評性を掬い出す。精緻な読解に支えられた鏡花論集。
目次(「BOOK」データベースより)
第1部 鏡花文学の起点(鏡花初期作品の執筆時期についてー「白鬼女物語」を中心に/「義血俠血」の変容ー紅葉改作をめぐって)/第2部 鏡花文学の世界図(泉鏡花と印度哲学の接点/“個的神話”への意志/「化鳥」“母なるもの”の原理 ほか)/第3部 作品の諸相(「春昼」記号のゆくえ/「婦系図」の背景ー“静岡”という場所/「歌行燈」交響する“物語” ほか)
著者情報(「BOOK」データベースより)
松村友視(マツムラトモミ)昭和26(1951)年生れ。慶應義塾大学文学部教授、同大学大学院文学研究科教授を経て、慶應義塾大学名誉教授。専攻は近代日本文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)