大色紙『木賊(とくさ)に兎図』※部分
円山応挙 筆 静岡県立美術館 蔵
◇仕様:色紙1枚/たとう紙・解説付
◇寸法:縦27.2×横24.2cm
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繊細な毛描きと周到な着彩によって描かれた三羽の兎の奥に、付立(つけたて)で引いた緑青あるいは群青の上に、細墨線によって筋目と節を表した木賊を配している。描写力は極めて優れており、可憐な兎の描写は比類が無い。やわらかな兎の質感と鋭くざらついた木賊の質感も見事な対比を見せている。
写生した動植物を画面に配置するに際し、対象と余白の関係は充分に考慮され、理想的な絵画空間が設定されている。応挙の絵画史的な意義は、まさにこの写生と整形という点にあり、応挙の円熟期の力量・本領が十分に発揮された秀作として注目される。(解説書より抜粋)