カナディアンクラブの創始者であるハイラム・ウォーカーはアメリカのマサチューセッツ州に生まれ、商才に優れ穀物商としての頭角を現してデトロイトで食料品店を開業。経営基盤を固め商人としての成功を収めた。憧れであったウイスキー事業への道を歩もうとするが、当時アメリカでは禁酒運動が盛んに行われていたため、隣国であるカナダに目をつけてウイスキー造りを決意した。デトロイト川を挟んだ対岸のカナダにある、オンタリオ州ウィンザーに1856年蒸溜所を建設することとなった。この地は豊かな水脈があり、ウイスキーづくりに最適な条件が全て揃うとともに、川を挟んだ対岸に消費大国アメリカがある好立地であった。
2年間の試行錯誤の末にライ麦由来の風味が心地よい、爽快なタッチのウイスキーを開発した。紳士の社交場「ジェントルメンズクラブ」で大人気となり、品格あるクラブで飲むウイスキーということで「クラブ・ウイスキー」と名付けられた。アメリカでもそのおいしさが評判になり人気を集めて、2年後にはアメリカのウイスキーと区別するために「カナディアンクラブ」と改名をした。その後企業城下町をウィンザーに築き上げて地域の発展に大きく貢献した。