![SWITCH Vol.38 No.5 特集 追悼 ロバート・フランク[1924-2019]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/812WHAz6c+L._AC_UL165_SR165,165_.jpg)
今月号の特集「荒木経惟」は、良い良いずくめ。
まず、表紙の写真が良い。「棺桶からこう腕出して撮る」と言う荒木らしい写真。
中身の「インタビュー」記事がまた良い。その中の荒木の言葉が良すぎる。
「で、アメリカはアホだからもっと広く見た方が良いとシネマスコープというサイズを
さらに発明していく。今ではそれでも足りなくなって３Ｄなんてものを足したりしている。
せっかく現実の世界を平面にして描いたのに、立体にしようと思っている。
平面のマジック、ものすごい驚きだったな、だって、ぺっちゃんこだよ」（046頁）
加えて、中井貴一と荒木の「ダイアローグ 生と死の物語」も輪をかけて良かった。
荒木は語る。
陽子が舟で横たわっている有名な写真は、
昔、吉増剛造が評したような「死の舟」で三途の川を行く写真ではなく、
今（2016年）は、背中を丸めて横たわっているのは「胎児」であり、
「死んでいく、死の方に向かっているのではなく、生まれいづる時」の写真なんだ
と考えている。
「この写真は嘘つきなんです。・・・だから不思議なもんでね、写真というのはね、
見る人、見る時によって違うんですよね」
ライカで始まった荒木さん、
どんなカメラとも、どんな女とも付き合わなきゃ駄目だって言う荒木さん、
この世にバイバイする前に、嘘をつかない「写真」も、もっと見せてくださいね。
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